化学工場で働いていると危険物乙4類や酸素欠乏危険作業主任者など、様々な資格が必要となります。
しかし働くうえで必要な必須資格は合格してもプラス評価になることはまずありません。
むしろ合格しないとマイナス評価になってしまうぐらい、持ってて当然ぐらいの扱いです…
ではどんな資格をもっていたら評価されるのか!
この記事では合格したら「なかなかやるなあ」となる資格たちを紹介します!
必須資格だけを取得してプラントオペレーター人生を終えてしまう人も多い中、この記事の資格を取得すれば
- 会社によっては一時金が貰える
- 会社によっては昇給に有利かも
- 直のリーダーや係長、課長になるときに困らない
- 転職や部署の移動の際に多少有利
などいいこといっぱい!
あと勉強してて普通に仕事に役立つことも多いのでぜひ勉強してみてはいかがでしょうか!
※電気や鉄関係はあまり詳しくありません
甲種危険物取扱者
危険物取扱者の最上級!
甲種危険物取扱者です。
化学工場はだいたいどこでも乙4類が必須で、その他の1,2,3,5,6類は必要に応じて取得する必要がありますが、
甲種はどの危険物でも取り扱うことができます!
ですから甲種を持っていると転職の際や、課を異動する際とかに有利になることでしょう。
しかも高度資格は記述式(自分で計算式書いたりする)を含むものが多い中、甲種危険物は全て選択式なのも嬉しいポイント。
あと年に何回も試験をやっているので落ちたとしてもすぐに再チャレンジできるのも良いですね!
ただし受験資格はざっくり紹介すると
- 大学で化学の勉強してた
- 危険物乙種を取得してから2年の実務経験
- 定められた4種の危険物乙種を取得している
このいずれかの条件を満たしている必要があります!
※詳しくは消防試験研究センターホームページ
この記事で紹介する資格の中では簡単なうえに甲種ってだけでなんかカッコいいのでオススメです。
高圧ガス製造保安責任者 甲種
会社や配属先によっては係長とか課長になるために必須となったりする資格が高圧ガス甲種です。
乙種との違いは保安技術管理者に選任できるかどうかの制限がないこと!
※乙種は処理能力が100万m3/日未満の事業所に限り選任できる
高圧ガス乙種ですらまあまあ難しいのですが、甲種はさらに難しいです。
その理由は学識という科目が記述式であること!
乙種は選択式なので最悪勘が冴えてれば合格できますが、記述式だと自分で計算式を書いたりしなければならないので勘じゃどうにもなりません…
あと難関資格によくある科目合格がないのも辛いところです。
※合格した科目が3年ほど免除になる仕組み
テキストは高圧ガス保安協会の出版物の
- 高圧ガス保安技術
- 高圧ガス製造保安責任者 甲種化学・機械 試験問題集
- よくわかる計算問題の解き方
これらがあればなんとかなる!
高圧ガス保安管理の本は仕事でも役に立つ内容が色々書いてあって面白いと思います。
学識さえなんとかしてしまえば、法令・保安管理は過去問でなんとかなるはず…!
過去問を見てみればわかるのですが、学識は計算こそ難しいですが出題パターンは結構絞りやすいと感じます。
計算が得意な人にとっては「甲種のほうが勉強しやすい」という人もいるほど!
第1種 冷凍機械保安責任者
高圧ガス保安協会の資格の1つである冷凍一種です。
全ての冷凍の製造施設に関する保安に携わることができるという資格です。
化学工場では水を冷やすために冷凍機を用いる場合があるので、そのような機器がある場合取得を推奨されるかもしれません!
こちらも高圧ガス甲種と同じく学識が記述式です。
ただし範囲が冷凍機だけということもあり勉強もしやすいので、難易度は高圧ガス甲種より少し簡単!ぐらいではないでしょうか。
しかも冷凍機には
このようないいテキストもあるのが嬉しいポイント!
また化学工場で使う冷凍機ってだいたい自動で動いてくれるものが多いので、仕組みや構造をざっくり知っていても詳しい人はあまりいないもの。
また、高圧ガス甲種を取る人は多いですが冷凍一種はあまり取る人を見ないので
勉強することであなたの得意分野になるかもしれませんね!
特級ボイラー技士
ボイラー技士の最上級資格です。
ボイラー技士1級は2級と変わらないぐらいの難易度なのに特級になったとたん桁違いの難しさになります。
科目は構造、取扱い、燃料及び燃焼、法令の4種類。
ちなみに科目ごとの得点が40%以上で、かつ、合計が60%以上であることが合格条件のため苦手科目があっても得意科目があれば挽回することが可能です。
また特級ボイラーに関しては科目合格制度があるので3年計画で取得を目指すこともできます!
出題形式はどの科目も
- 計算(記述)
- 記述
- 穴埋め(記述)
- 選択問題
となっており、記述が多いのでかなり難しいのではないかと思います。
過去問が公表されているので参考までに↓
また、合格したとしても免許をもらうのにも条件が必要で
- 一級ボイラー技士試験免許をうけた後、5年以上ボイラーを取り扱った経験がある者
- 又は当該免許をうけた後、3年以上ボイラー取扱作業主任者としての経験がある者で、特級ボイラー技士免許試験に合格したもの
- 大学または高等専門学校においてボイラーに関する講座または学科目を修めて卒業、その後2年以上実地研修を経たもの
- その他厚生労働大臣が定めたもの
このように免許をもらうのも大変です。
エネルギー管理士
年間エネルギーの使用量が一定量以上の施設ではエネルギー管理士を1人~最大4人選任しなければなりません。
会社によっては「頼むから取ってくれ」となる可能性もある資格です!
受験資格はないですが、免状をもらうには実務経験が1年必要。
熱分野と電気分野がありますが、電気が得意!って人以外は熱を選ぶのが無難だと思われます。
科目は4科目あり、熱でいうと
- エネルギー総合管理及び法規 ※熱、電気共通
- 熱と流体の流れの基礎(熱力学の基礎、流体工学の基礎、伝熱工学の基礎)
- 燃料と燃焼(燃料及び燃焼管理、燃焼計算)
- 熱利用設備及びその管理(計測及び制御、熱利用設備)
それぞれ60%以上の正答率で合格で、科目合格制度もあるので3年計画で挑むことも可能です!
難易度は私がテキストを見た感じでは高圧ガス甲種より難しいかなと感じます。
マークシート式ですが計算もしっかりしなければ解けません。
ボイラーとか加熱炉の設備を持っていて、何かしらの技術検討等をしていればとっつきやすいかもしれませんが
そのような設備をもっていない部署だとイメージするのはちょっとしんどいのかなと思われます!
受験料も17000円と高額なのでしっかり勉強して挑みたい資格です…!
公害防止管理者 水質、大気 1種
排ガスや排水を一定量排出する工場では公害防止管理者を選任しなければなりません。
大気と水質は1、2、3、4種と別れていますが受験科目の違いです。
例えば大気でいうと下図のような感じ。
大気1種は6科目全て合格すればやっと資格取得になります。
大気4種であれば4科目で合格です。
また科目合格制度もあるので3年計画で挑むことも可能!
ただし
1種に関しては6科目もあるので3年でも不安だ!
という方は4種から取得するという手段があります。
4種を取ってしまえばかぶっている科目は永久に免除されるので、1種であれば残り2科目で済むのです!
ちなみにテキストは産業環境管理協会の公式テキストを使うのが王道となっています。
通称・電話帳!↓
過去問だけではちょっと不安というのが公害防止管理者の難しいところ…
また「令和2年度版環境白書では~」とかいう問題も出たりするので環境省の環境白書も見ておいたほうがいいなど
面倒なポイントが多いのもこの資格の特徴です。
環境白書なんてどこでみれんねん!って感じですよね。笑
計算がある高圧ガス甲種やエネルギー管理士をサクッと取っちゃう人でも公害防止を苦手としている人は多いです。
暗記!暗記!ですので長期戦となる可能性がある難関資格ではないでしょうか!
難関資格も取れ!と言われる前に取っちゃったほうが良い
ここで紹介した資格はどれも難しいものばかりです。
現実を話してしまうと、せっかく難関資格を取ったところで一時金がなかったり、給料がUPするわけではない会社のほうが大多数です。
なんなら資格を持っていても仕事ができなければ「勉強はできるんだけどな~」みたいな言われ方をされてしまうかもしれません。
それでも難関資格に挑む価値はあると思っていて
- 技術検討の際に役に立つことが多い
- 部署が潰れた際の移動先を有利に決められる
- 同業他社に転職する際に有利になる
これらだけでなく難関資格は嫌でも日々勉強しなければ合格が難しいので勉強の習慣がつきます。
勉強の習慣がつけば、ある程度工業系資格を取った後に英語を勉強してみたり、違う業界の資格を勉強して転職を計画したり…
なんとなく過ごす日常よりも充実した日々を送れるはず!
こんなことを言いつつ私もここで紹介した資格は一部しか持っていないので、毎年何かしらにチャレンジしようと思います!